勝利を求めて戦い続ける海洋堂という不滅の国家──宮脇修一

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海洋堂 宮脇修一
このコラムでは毎回、時代を引っ張る話題の人をゲストにお迎えして近況をお伺いしつつ、Note Anytimeを実際にお使いいただきます。そして、ユニークなゲストのみなさんそれぞれの特別な視点からNote Anytimeへの印象、使った感想、そしてどのようにNote Anytimeを使ってみたいかをお話しいただきます。読者のみなさまに向けてオリジナルで快適なNote Anytimeの使い方をご提案すべく毎週月曜日・木曜日に更新します。

第四回目となるゲストに、老舗造形メーカー株式会社海洋堂の代表取締役社長である宮脇修一さんをお迎えしました。今年で創立50周年、そして同社が主催する世界最大のガレージキットのイベント「ワンダーフェスティバル」も来年で30周年という節目を迎えている海洋堂。他社とは違う特別な造形集団であり続けられる秘密、独自の信条や今後の展開についてお話いただきました。

取材/蛯原天 文/TODA MARIE 撮影/Ayano*

30周年を迎える世界最大のホビーの祭典、ワンダーフェスティバル

──7月27日に開催された「ワンダーフェスティバル2014[夏]」の感触はいかがですか?
冬と比べて夏は他にもたくさんのイベントが開催されるので、コスプレイヤーさんにしてもディーラーさんにしても参加者数は少ないんですけど、前回のワンダーフェスティバル2013冬は大雪でみなさん不完全燃焼でしたから、無事、盛況のうちに終了しました。97~98年頃に新世紀エヴァンゲリオンの影響でワンフェス人口が急増したことがありました。現在はキラーコンテンツと呼べるものはないけれど全体が緩やかに底上げされているという印象があります。ゆるい状態が続いていて、正直歯痒いところでもありますが。

──海洋堂が主催するワンダーフェスティバルの特徴は?
良いも悪くも独裁主義国家ですね。毒にも薬にもならない制作委員会や、馴れ合いの最大公約数を大事にするのではなく、あくまでも代表であり実行委員長宮脇修一のワンフェスという。自分に影響を与える数人から意見やアドバイスを受ける事はあっても最終的には自分ひとりが決めるというのが海洋堂が主催するワンダーフェスティバル。

──今後、ワンダーフェスティバルはどう変化して行きますか?
ワンダーフェスティバルは「ワンダー」な「フェスタ」でなくてはならないので、今までもちょっとした変化は付けてきましたが、実は今、思い切りすごいことを来年の夏には実行しようと考えています。大変化もたらすつもりで、常に自分で自分を追い込んでいるような感じです。しんどいことをしないと記録は出せない。だから、参加者の皆さんにもしんどいことや元気さを強要します。そういう主催者でありたいし、そうでないと自分たち海洋堂が主催する意味はない。1992年冬までの主催であったゼネラルプロダクツからワンフェスを引き継いだ以上は、常に右肩上がり、常に何かを発信し続けて育てて行こうという意識があります。自分自身に課している枷でもあります。

海洋堂 宮脇修一

──海洋堂が大事にしていることは?
イノベーターであり、新しいコンセプトメーカーでありたいと思っています。海洋堂に事業欲やお金を儲けたいという欲はない。海洋堂が大事にしていることは独裁者宮脇修一としてのテーマや、もの作りをどのように社会的に認めてもらうか、存在を評価させるか?あるいは、評価されるべき素晴らしいものを共有したいということ。まだまだオタクに対する評価は低いので、オタク第一世代として新しい道を切り拓いて、歴史を生み出すのが海洋堂の使命。ワンダーフェスティバルの主催者でありながら、参加者やお客さんにも「造形」を意識して欲しいと思い続けています。

──今年で50周年を迎えた海洋堂の今後は?
創業からやっと半世紀が経ちましたが、模型屋さんがつぶれてしまったり、フィギュアも売れなくなったりと、私たちが勝ち得たものは納得出来るものではない。例えば美少女フィギュアのような人気のあるコンテンツだけではなく、作家性や作品の多様性をもっと皆さんに見て欲しいと願っています。そのためにも、我々に続くような自覚を持った人に集まって欲しいですね。ワンダーフェスティバルにしても、フェスティバルとして楽しめる要素はまだ日本には少ないから、もっともっと楽しさを世の中に発信、そして共有して行きたいですね。

──社長・宮脇修一として大切にしている事は?
常に勝つ事だけです。ひたすら負けないように、勝利を目指し続ける。勝てば前へ行ける、負けたら後ろへさがるまで。負ければ終わりですから、常に勝たなければ。戦って、常に勝利を目指して行く。それがテーマです。 

最後にNote Anytimeを使用した直筆でのサインと座右の銘、音声メッセージをいただきました。

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海洋堂 宮脇修一

海洋堂 宮脇修一

宮脇 修一(みやわき しゅういち)
1957年大阪生まれ。精巧な造形技術で世界中で認められている造形メーカー、株式会社海洋堂の代表取締役社長。海洋堂は自分たちの欲しい物、作りたいものを少数精鋭の造形集団で作り続けている。社長でありながら「センム」の愛称で親しまれている。

関連リンク

株式会社海洋堂公式サイト
次回ワンダーフェスティバルディーラー登録は8/27まで!
宮脇修一Twitter
海洋堂公式生放送「海洋堂でSHOW?!」

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